LINEで届く「無料プレゼント」や「お得情報」に潜む危険性とは?
LINEで届く「無料プレゼント」や「お得情報」に潜む危険性とは?
近年、LINEやインターネット上で「無料プレゼント」や「お得情報」をうたうメッセージがよく見られます。例えば、「大手有名店の無料クーポンをプレゼントします」「豪華な景品が当たります」「人気キャラクターのスタンプが無料で手に入ります」といった内容です。
これらのメッセージの中には、本当に公式が行っている安全なキャンペーンもありますが、残念ながら、多くは悪意のあるデマや詐欺につながるものです。見ただけでは判断が難しいため、不安に感じる方も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、そうした見慣れない「お得情報」のメッセージがなぜ危険なのか、そしてどのように見分け、対処すれば良いのかを、分かりやすくご説明いたします。
身近なデマ事例:こんなメッセージには注意しましょう
LINEなどで届く怪しいメッセージには、以下のような特徴が見られます。
- 無料スタンプやクーポンを装うもの 「〇〇(大手企業名)の無料スタンプをプレゼント」「今なら△△(人気店)の無料クーポンがもらえる」といったメッセージが、友達から送られてきたり、見知らぬアカウントから届いたりするケースがあります。
- 懸賞や景品をうたうもの 「高額な賞金が当たりました」「豪華海外旅行が無料で当たります」といった、とても魅力的な内容で、すぐにでも参加したくなるようなものです。
- 「今だけ」「限定」といった言葉で焦らせるもの 「〇月〇日までの期間限定」「残りあとわずか」などと書かれ、考える時間を与えずにクリックさせようとする傾向があります。
これらのメッセージに記載されたリンク(青い文字などで示された、ウェブサイトへ移動するための部分)を安易にクリックすると、思いがけないトラブルに巻き込まれる可能性があります。
なぜこれらのメッセージは危険なのでしょうか
なぜ「無料」や「お得」をうたうメッセージが危険なのでしょうか。その主な理由をいくつかご紹介します。
- 個人情報を盗み取られる危険性(フィッシング詐欺) リンクをクリックすると、本物そっくりの偽サイトに誘導され、個人情報(名前、住所、電話番号、クレジットカード情報など)の入力を求められることがあります。入力してしまうと、その情報が悪用され、金銭的な被害に遭う可能性があります。
- 不正なアプリをインストールさせられる危険性 「このアプリをインストールするとプレゼントがもらえます」といった誘いに乗り、不正なアプリをダウンロードしてしまうと、スマートフォンがウイルスに感染したり、スマートフォンに保存されている情報が盗まれたりすることがあります。
- 高額な料金を請求される可能性 「無料」だと信じてサービスに登録したつもりが、実際には有料サービスへの契約となり、後から高額な利用料を請求されるケースもあります。
- デマを広げる加害者になってしまう可能性 「友達にもこの情報を広めてください」と指示され、内容の真偽を確認しないまま他の人に送ってしまうと、意図せずデマを拡散してしまうことになります。
危険なメッセージを見分けるためのポイント
では、どのような点に注意すれば、危険なメッセージを見分けられるのでしょうか。大切な三つのポイントをご紹介します。
1. 発信元が「公式」かどうかを確認する
メッセージが本当に信頼できる企業やサービスから送られているのかどうか、発信元を必ず確認しましょう。
- 知らない人からのメッセージは警戒する: 知らない人からのメッセージや、普段やり取りのないアカウントからのメッセージは、特に注意が必要です。
- 公式アカウントかどうかを確認する: LINEであれば、公式アカウントには認証バッジ(企業名の横にある緑や青のマーク)が付いています。このマークがないアカウントからの情報は、安易に信用しないようにしましょう。
2. 内容が「不自然ではないか」を冷静に考える
「無料なのに個人情報を求める」「あまりにも話がうますぎる」といった不自然な点がないかを、冷静に考えてみましょう。
- 「無料」なのに個人情報を求める場合: 本当に無料であれば、個人情報の入力は必要ないはずです。特にクレジットカード情報や銀行口座情報の入力を求める場合は、非常に危険です。
- 「〇〇をプレゼント」と誘っておきながら、別な行動を促す場合: 例えば「無料スタンプ」と書いてあるのに、別のサイトへの登録や、アプリのダウンロードを促すような場合は、詐欺の可能性が高いでしょう。
- 「今だけ」「あなただけ」といった言葉に焦らされない: 考える時間を与えず、すぐにクリックさせようとするメッセージには、裏があると考えられます。
3. URL(リンク)のアドレスをよく確認する
メッセージに含まれるURL(青い文字などで書かれた、クリックするとウェブサイトに移動する部分)は、安易にクリックせず、アドレスの文字列をよく確認することが重要です。
- 公式サイトとそっくりな偽のURLに注意: 例えば「〇〇.com」が公式なのに「〇〇-shop.com」や「〇〇.info」など、少しだけ異なるURLは偽サイトの可能性があります。
- 見慣れない文字列が含まれていないか: 長い文字列の中に、意味不明な文字が並んでいる場合も注意が必要です。
(詳細なURLの見分け方については、別の記事や動画でも詳しく解説していますので、そちらもご覧ください。)
もし怪しいメッセージを受け取ったら? 対処法
万が一、怪しいメッセージを受け取ってしまった場合の対処法をご紹介します。
- 絶対に安易にクリックしないこと これが最も重要です。まず疑うことを習慣にしましょう。
- 家族や信頼できる人に相談する 一人で判断に迷うときは、すぐに家族や親しい人に相談してください。冷静な目で一緒に確認してもらうことで、危険を避けられる可能性が高まります。
- 公式情報を確認する 「〇〇(企業名)からプレゼントが届いた」という内容であれば、その企業の公式ウェブサイトや公式SNSを確認しましょう。本当にキャンペーンが行われているか、正確な情報が掲載されているはずです。
- メッセージを無視して削除する 少しでも怪しいと感じたら、そのメッセージには関わらないことが一番です。無視して、メッセージを削除しましょう。返信したり、電話をかけたりすることは避けてください。
- 不審なサイトに情報を入力してしまったら もし誤って個人情報を入力してしまった場合は、すぐに利用している金融機関やクレジットカード会社に連絡して、指示を仰ぎましょう。また、警察の相談窓口(#9110)に相談することも検討してください。
まとめ:焦らず、確認する習慣を身につけましょう
LINEやインターネット上の「無料プレゼント」や「お得情報」は、私たちの興味を引く魅力的な言葉で誘いかけてきます。しかし、その中には、私たちを騙そうとする危険な罠が潜んでいることも少なくありません。
大切なのは、「お得な話には裏があるかもしれない」という心構えを持つことです。焦らず、メッセージの発信元や内容、URLをよく確認し、少しでも不審な点があれば、安易に信用しない、クリックしない、情報を入力しない、という習慣を身につけましょう。
そして、困ったときは一人で抱え込まず、すぐに信頼できる人に相談することが、自分自身を守る上で何よりも大切です。